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SRX250 整備日記 No.6

2005


2005年 10月 3日 更新終了


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   2005.3. 9 (水)

その 33

さて、各方面から当方のHP更新について、いろいろとご心配をお掛けしましたが、やっと掲載できる内容が 出来ましたので、新たな年の始まり(ちょっと遅いかも・・・)と共に、これからもよろしくお願いします。

サーキットを離れ、早8カ月。月日が流れるのは早いものです。年明けにツクバから、TTTの参加 申込書と、レギュレーションが送られてきた。読んでみると、4月以降、ツクバでは、オイル受けの アンダーカウルが、練習走行でも必要になるそうだ。よって、6月のTTTでも、それは同じ事。 さて、このレギュレーションの変更は、当方が参戦している「NS−2]クラスでは、とても 重要な事である。まず、専用パーツは売られていない。汎用品を応用するしかない。特に、SRX は、フレーム下に、マフラーのチャンバー室がある。これが問題である。サスのセッティングが 悪いと、この部分も接地してしまうのに、その上にカバーを据えつけるなんて、難問である。 この際、マフラーを変え、汎用パーツが取り付けやすい様にする事も考えたが、それ以前に、改良しておかないと いけない部分があり、「もしかすると、4月以降は、練習が出来ないかも知れない」と思い、取り敢えず、3月の TTTには参戦する事を決めた。

去年の10月は、都合によりレース参戦を止めましたが、当日は台風が近づく中、参加された方々、 大変お疲れさまでした。当方が参加しなかった為、ある事実が判明しました。「当方が参加するレースは、 必ず晴れる」と言う事です。まあ、これは偶然かもしれませんが・・・<笑>。

参加を見合わせたのは、単純に仕事の都合ですが、それ以前に当方の頭の片隅にまるで、こびりついた汚れ のように、悩みの種になっていた事がある。それは、去年の6月のレース直前の転倒です。「なぜ、 リアからスリップダウンしたのか?」。。。。

いろいろ考えた挙げ句、出した答えは・・・・・


リアサスのダンパー不足


だった。転倒した場所はCXコーナーの左コーナー。 右コーナーで沈み込んだリアサスが、切り返しでは一気に伸び、素早く左コーナーに入れたが、 次の左コーナーでは、クリッピングを過ぎてアクセルを明け始めた時に、沈み込んだバネが 一気に反発して、リアサスが伸びきってしまって、リアタイヤのグリップが失われたのが 原因だと、結論を出した。前兆は各コーナーで出ていた。それは、リアタイヤが滑り始めていたのだ。 それが、ダンパー不足だとは気がつかなかった。

その後、サスをいろいろと探したり、ネットで検索してみたが、この際中古品を買うより、新品を 入れると決心したのは、レースの1カ月前である。そして、その結果は・・・・。


なんと、新品オーリンズです

なんと、新品オーリンズです。前年6月のレースで、M兄弟兄さんが装着していたのを、発見。その後、 彼に問い合わせをし、しかも、輸入元にもサイズを確認を行い、「清水の舞台から飛び下りる」 覚悟で購入した。
もちろん、SRX250用なんて、販売されていない。これは、「RZ250/350R用」である。 ネットで検索したら、サスの上部がフレームと干渉すると書いてあったが、M兄弟兄さんからのメール では「ポン付け」らしい。実際に装着してみないと、判らない。そこが怖かった。輸入元からの 返答では、サス本体を削る方法もあるとの、答えである。さてどうなる事やら・・・。



その、結果!!!


付きましたよ

問題の、フレームとの干渉は、サス上部がフレームと干渉した。フレームを削る訳にはいかないので、 サス本体をヤスリで、ゴシコシ。2o程削ると、問題なく装着出来た。
しかし、エアクリBOXと 若干干渉している。バネレート調整と、縮み側ダンパー調整が出来ない。でも、これで本来の 問題は解決されるのであろうか???  それが一番の問題である。



そして、時価8万円近くする新品部品を装着した、本体下取価格も出ないSRXレーサーは、新たな年を 走り出した。

が、・・・・


どうも、身体的能力が落ちているらしい。今までどおりにコースを走っているのだが、タイムが出ない。 動体視力も落ちているみたいだ。スピード感も衰えている。コーナーが怖いのである。どうしても アクセルが開けられない。ヘルメットにハエが止まる様なスピードである。タイムも出ない。 今回初めて同行していただいたS氏が、写真を撮ってくれた。それを見ても、コーナーで 単車を寝かしきれていない。 タイムが出ないとサスのセッティングが出せない。サス自体も、何だか動きがぎこちない。 サス自体のナラシも必要かも知れない。もっと早くから 準備を始めれば良かったと、反省。やはり、「ローマは一日にして、成らず」である。

このままでは、「宝の持ち腐れ」。今までノーマル状態になるべく近いマシン作りをしていた当方に とって、このギャンブルは、裏目に出ている様だ。情けないタイムで、成り金状態の様なマシンで レースを迎える事が、とても恥ずかしかった。

   2005.3.12 (土)

その 34

2005

TUKUBA TOURIST TROPHY in  MARCH

「成り金ライダー」「宝の持ち腐れ」状態で、とても沈んだ気持ちで、レースを迎える事となった。 しばらくぶりに合うライバルとも、会話が進まない。「なるべくなら、秘密兵器は最後まで秘密」に しておきたかったが、M選手、H選手、M兄弟兄さんには、しっかり見られてしまった。

前日の雨の影響で、8時を過ぎても、霧が晴れない。約1時間遅れで、レースが進行した。そんな中、 とても気分が重い当方は、初めてレースをする様な、とても緊張していた。手が震える程である。

車検では、車体まわり問題無し。しかし、「ゼッケンの字体が太い」と指摘され、早速、黒マジック インキで、修正。どこのピットでも、カッターや、ビニールテープを使って、字体を修正している。

NTに参加するM選手、そして今回NS−2に参加する予定で、GOOSEを購入し、練習中に エンジンブローで参戦をあきらめ、急きょNTに初参戦のI選手、共にレインタイヤに変更したり、 準備万端。当方はそれを横目で見ていた。なんとも他人行儀の様に、レースを見ていた。このやる気の なさは、練習不足による不安からであろう。

そんな中、同い年のT選手も、秘密兵器装着。それはなんと、RS125用のリアサスであった。


これも秘密兵器

以前、寸法合わせをしていたサスを、今回出場しない友人のT選手から借り受けたらしい。サブタンク付きで、 とてもレーシーだ。

「装着できたら、請求書を出す」と言っていた友人のT選手。入賞でもしたら、とても高いサスになりそうだ。



予選

早めに準備をして、T選手と共に予選の列に並ぶ。当方は2列目からのコースインである。路面は完全に乾いて いた。2週程タイヤを温める。だんだんとT選手が遠のいて行く。ラインに乗りタイムアタック。そのうち T選手が見えなくなる。ほとんどクリアーラップであったが、タイムが出ない。Pラップを見て、情けなく なる。後方から2台に抜かれた。白いGOOSEと250SBである。裏のストレートでも、追いつけない。 そろそろエンジンのパワーが落ちてきたようだ。10週で予選終了。タイムは、3日前とほぼ同じ、17秒台で ある。


あぁ、情けない!!!



走っている気分は、15秒なのに、結果は17秒。ベストタイムより4秒以上遅い!! 言葉を失って しまいましたよ。


決勝

グリットは、17番手。まぁ、中盤である。トップはH選手。話を聞くと、今日迄練習をしていないとの 事。これは、20代と40代の違いであろうか?それにしても、全体的にタイムが遅い。16秒から17秒は 団子状態。スタートが怖い!!

ブリーフィングで、M兄弟兄さんが「弟のリアホィールがぶれている、今も直している」と聞いた。 トラッカーマシンはホィールの変更が認められている。どうも組み間違えたらしい。それでも、ブリーフィングに 間に合った。T選手は居眠りをする余裕。当方は手が震えていた。S選手と軽い挨拶。彼は前日転倒し、 マフラーを破損したと聞いたので、落ち込んでいると思い、それ以上は話しかけなかった。

レース進行は遅れていた。3回も赤旗中断。直前のレースもそれだ。大分待たされた。日が陰ってきて、 北風が冷たかった。体は冷えきっていた。

グリットまで単車を押して行く。右隣はM兄弟弟さんである。「なんで、こんな所にいるの?」と聞かれても 返す言葉がない。一緒に写真を撮って頂いた。そして、目の前はT選手。取り敢えず彼に付いて行こうと 決めて、スタートを待つ。選手紹介は、あいにくエンジンスタートが始まり、アナウンスが聞こえなかった。 そして、


スタート! 大失敗しました。


旗が振り下ろされる前に、マシンが少し動いてしまった。ブレーキを掛けた瞬間に、旗が振られたのだ。 ほとんどのマシンに抜かれた。ほとんど最後尾でメインスタンドを通過。1コーナーでも、思う様に インに入れず、また抜かれる。U店長がインをうまく曲がって行く。 1ヘヤでは、外側から数台抜かした。次のCXでは、接触を発見。 1台はコースアウト。もう一台は転倒。S選手が転倒していた。2ヘヤまで、周りにはマシンだらけ。 裏ストレートでは、わずかに先頭集団が見える。ストレートエンドまでに何台か抜いた記憶がある。
確か2週目の1ヘヤで、M兄弟弟さんのトラッカーを発見。トラッカー独特のライディングスタイルで 曲がって行くが、かなり奥まで突っ込んでから曲がるので、まるでブレーキミスでコースアウトした かの様だ。当方はコースアウトしたと思っていたが、CXでは前を走っていた。彼の排気音が心地よく 心に響いた。裏のストレートで彼を抜かす事にした。以前同じような状況では、簡単に抜けたのを おもいだしたからだ。しかし、今回は、やっとストレートエンドで抜かせた。
前方に2台発見。段々近づいてきた。どうやら1台はT選手。彼はストレートが早い。裏のストレートで は、様子を見て、2台が最終コーナーの出口付近で、ラインが交錯している所を大外から抜かす。また、 前方にマシンを2台発見。
アドレナリンが少し出てきた様だ。「これがレースだ」と大声で叫びながら、前車を追う。2ヘヤの手前で その2台の内、1台が急にラインを変え、もう一台に接触。接触された方は、マシンから放り出された。 銀色に光る部品が散乱していた。イエローフラッグはまだ出されていない。見ると、M選手がエンジン トラブルで、ラインを急に変更したようだ。転倒したライダーを横目に見ながら、2台を抜かす。
1週して戻ってくると、まだ2ヘヤではイエローフラッグが振られていた。かなり前方に1台見える。 周回を重ねると、段々近づいてきた。そのうち、最終コーナーでイエローフラッグ。見ると2台が転倒 している。その内の1台は、250SBだった。先頭集団の転倒は、当方にとってありがたかった。 それにしても、あちらこちらで、転倒車が出ていた。かなり激しいレースだ。
前方には、2台見え始める。1台はバックマーカーの様だ。何とか2台抜きたいが、メインストレートで フラッグタワーを見ると、もうチェッカーフラッグが準備されていた。
「あと、1週」と思って、一生懸命アクセルを明けたが、やはりコーナーでは、ヘルメットにハエが止まる 様なスピードだ。最終コーナーで、何とか2台の後ろまで近づいたが、結局抜かせなかった。

と、言うわけで、最終的な順位は、10位。参加台数39台という数字から見ると、良い結果に見えるが、 当方にとっては、情けない結果である。やはり、40歳を過ぎると、ポンとタイムが出ない様だ。今まで の様に地道に練習を重ね、少しは酒とたばこを減らす努力もしないと、もう「引退」と言われかねない。

それにしても、4月以降、オイル受けアンダーカウルが必要だ。また、単車の見直しを迫られる。 まあ、温かくなればFRPの制作もやりやすくなるので、その都度レポートを書いて行きたいと 思っている。

今回NT初参戦のI選手、NS−2のレースも初めて見た様で、とても興奮していた。彼の参戦も お待ちしています。

いろいろとご迷惑をお掛けした方々、この場をお借りして御礼申し上げます。


   2005.6.25 (土)

その 35

2005

TUKUBA TOURIST TROPHY in  JUNE

の見学

諸事情により今回は、見学です。(一番の理由は、エントリー直前に、冷蔵庫が壊れ、レース 資金が、そっちに回された為です。)

NTに参戦するM選手のお手伝いをしながら、今年から、装着義務になった、オイル受け アンダーカウルを視察してきた。義務といっても、練習走行のみであって、レースとその特別 走行には必要ない。しかし、今後サスのセッティングの為に練習しなければならないので、 先ずは、敵情視察である。
詳しいレポートは・・・・。

2005 アンダーカウル コレクション


ご協力頂いた方々、ありがとうございます。

それにしても、レース前になると、このHPのアクセス数が、跳ね上がり、いろいろな方から、 「アンダーカウルの情報、ないですか?」と問い合わせも多い。ありがたい事である。最近、 NS−2を公開しているHPも少なくなり、ちょっと淋しい気分です。ライディングに自信が なくても、ぜひレースを盛り上げる目的で、皆さんもHP作って、レースを盛り上げましょう。


   2005.9.25 (日)

その 36

オイル受けアンダーカウルの製作

とうとう、皆様の期待するアンダーカウルの製作を公開する時がやってきました(笑)。大変 お待たせした事を、お詫び申し上げます(笑)。

やはり、皆さんと同じ問題が、大きな壁となって、アンダーカウルにのしかかっている。 それは、ノーマルマフラーには、エンジン下に大きなチャンバー室が付いていて、その一部が コーナーリング時に接地すると言う事。もはや新品の社外マフラーを手に入れるのが 難しい車体なので、10万円以上もするワンオフマフラーを作るお金持ち以外の人々(多分 NS−2に参戦するライダーの多くは、レースの全体的なランニングコスト−−タイヤ代、 車体本体等−−が安いのが重要な要素と思う)は、 四苦八苦している。もちろん専用のオイル受け機能があるカウルなど売ってはいない。 いろいろと悩んだ挙げ句(実はかなり前から悩んでいた)、カウル本体は、サーキットで知り合った アクティビティー製の物を使用する事にした。しかし、それだけではない。実は、今年の初めに 大金をはたいて買ったオーリンズもその一つである。
なぜかと言うと、マフラーのチャンバー室の接地を避ける為に、リアサスをいろいろな物に交換して、 少しでもリアの沈み込みをすくなすさせようとしたり、フロントサスにプリロード機能を持った 物に交換してきたが、結局良い結果が出なかった。フロントサスは、他車の物に交換出来ないが、 リアサスは、社外部品があるので、それを使う事にした。現在までに、社外品を使用しているのは、 S選手の「エフジーサスペンション」と、M兄選手が使用している「オーリンズ」であった。
それに加え、ここ数年人気のあるビックバイクの走行ラインがとても気になっていた。サーキットの 各コーナー出口に、ブラックマークが何本も付いている。それらはほとんどが、とても理想的な ラインを通過して、キレイにコーナーを曲がっている。上記の事を悩んだ挙げ句、本格的に 前後サスの見直しをする事にしたのである。
「マフラー作った方が早いんじゃないの!!」と思う人も多いと思うが、最新式のマシンでレースを している訳でも無く、レース結果だけを望んでいる訳でも無く、ただ自分のライディングの腕と 整備の腕を上げる為(これが一番の目標です)に始めたレースなので、末永く参戦して行く為には、 いろいろなデータを集めたり、ノーマル部品の限界を見極める(車体本体の能力を見極める)には、 回り道しながらゆっくりと時間をかけて、納得の行く自分なりの道を進むしか無いのである。

先ずは、アクティビティー製、APE用アンダーカウルの紹介です。

アクティビティーのHP


アクティビティー製アンダーカウル

DE耐のレギュレーション変更で、急きょ製作したらしい。元々はRS125のアンダーカウルを 短く、低く切り出した物である。とてもシンプル。価格は¥7.500円(税別)。お店で、 単車に合わせてみると、2カ所ほどチャンバー室と当たる部分があったが、容量にそれ程影響 が無いと思い、その場で購入。



アクティビティー製アンダーカウル 仮組み

チャンバー室出口部分を少し削って、ステーのイメージを考える。車高については、レギュレー ションで規定されていない。少し低い様に思われたので、もう少し切り込みを入れる事にした。



アンダーカウル フロントステー仮組み

カウルが接地する事は予想されたので、もし車体両側からステーを取り出しカウルをつり下げた 場合、接地してステーにストレスが掛かかり、ステーが折れ、 走行中にカウルがはずれる恐れが考えられた。そこで、 カウルステーの取り付け部分を、フロントはエンジン前側下部のマウントボルトに取り付ける ようにした。リアはその当時考えていなかったが、何となく、センタースタンドの取り付け 部分あたりから、作れそうな気がした。材料は、 厚さ3o、25×50oのチャンネル材が倉庫にあったので、それを利用し、 ここまで作り上げるのに、ボトル1本と夜なべ3日。軽量化の為に36oの大きな穴を明ける のには、苦労した。
一度仮組みしてみると、チャンバー室との絶妙なクリアランス。 作った本人もアゼンでした。



アンダーカウル リアステー

フロントステーは、あっさりと作れたが、その反面リアには苦労した。作っては、あてがい、 また削ってはあてがい。やっと出来なのがコレです。



アンダーカウル 装着

ツクバで、微調整。ヤスリと格闘して、何とか装着完了。早速試走。意外と接地しない事に びっくり。しかし、それはナラシライン走行でのお話。2ヘヤ入り口で、予想外のところが 接地。しかし、ライディングフォームを少し変え、マシンを寝かさない様にすると、問題なし。
この日は、半年ぶりの走行なので、タイムも出ていなかった。16秒台。レース出来る タイムではない。まあ、あと数回練習する機会があるので、それまでに前後サスの調整 がてら、様子を見る事にした。



   2005.9.28 (水)

その 37

あぁ、ありがたや、ありがたや!!

本格的に練習できる状態になってきたので、急きょツクバへ行った。フロントサスは、予備の 物をオーバーホールして、オイルを変えた(今までのFフォークは、実は3年も使用していた)。 走行前に、Fフォーク交換、そこへ前回優勝者のM選手登場。11月の耐久レースの話で 盛り上がる。
彼は朝一の走行を無事に終え、帰宅した。そして、当方の走行時間到来。2週程ナラシ走行。 「あれ、何か変!!」と、ハンドル回りを良く見ると、左右のハンドル角度が違う!! あわててピットイン。これはすぐに直す。
何となく、良く曲がるマシンに仕上がってきた。と、思った裏ストレートで、突然エンジン ストップUU


あれぇUU(頭の中、真っ白!!)


あわてて、手を上げ、最終コーナーをインベタで走行。「燃料コックがOFFかもしれない」 と思って、そのあたりを左手で間さぐると、指先に液体の感触!!

ガソリンが大量に漏れてる !!


メインストレートエンドでピットに入ろうとも考えたが、この緊急事態。違反を覚悟で、 黄色線をカットして、ピットイン。マシンをおりて確認してみると・・・。

燃料コック

燃料コックから下に向かって出ている、エルボがはずれていた。なんとこの部品は、 差し込んであるだけであった。驚き!!○菱の車並みの欠陥部品である。しかし、20年以上も 前に作られた単車だから仕方なかろう。



カウルに溜まった燃料

約2.5リットル程漏れたようだ。走行は、中断されなかった事から、 カウルのおかげで、コース上にガソリンをまき散らさなかった様だ。



取り付けたとたんに、カウルの恩恵を受けた。何か神掛かりてきな出来事である。しかし、 こんな所が壊れるなんて、予想もしなかった。もしかするとレースではエンジンブローで、また カウルの恩恵を受けそうな、やな予感がよぎった。

   2005.9.30 (金)

その 38

特別スポーツ走行

さて、レース前日の特別スポーツ走行である。レース直前に、相手のマシンの様子を観察するには 絶好のチャンスである。もちろん、自分のマシンの最終チェックを行う為に、走る事にした。特別スポーツ 走行は、各クラス30分×1回の走行枠が設けられている。しかし、それだけでは足りないので、午前中の スポーツ走行も走る事にする。

レース前日なのに、ピットは空いている。まるで金曜日の走行の様だ。全体的にレースの緊張感がない ように思われる。そんな中、当方は、「お宝」のセッティングを行う。今年新品で買ってしまった オーリンズサスのセッティングである。後ろだけではなく、今回はフロントフォークも行う事にした。 いちおう一昨日には、3本目となるフロントフォークを組み付けたが、どうも裏ストレートエンドで( 最高速で)ハンドルに振動が出てきた(丁度、全開時のウイリー寸前の様な感じ)ので、 いろいろと情報を集めた結果、フォークの突き出しを増やす事にする。同時にリアのプリロードを抜き、 前後サスの同調を行った。そんな作業をしていると、群馬のM選手が現れた。当方の秘密練習を見つかって しまったUUU
お互い情報交換タイム。そして最近の練習結果報告。「15」のM選手も登場。相手の心理を探り合い ながら(?)、和やかに談笑。しかし、8時からのスポーツ走行で、マシンの実力の違いを見せられる 結果となる。裏ストレートエンドで、群馬のM選手には、約5メートル、「15」のM選手には、 約10メートルの差が出てしまう。厳密に言えば、2ヘヤの立ち上がり速度が同じではないので( もちろん当方の方が遅い)、すべてが正確な結果とはならないが、それにしても、その差が大きい。

今更、大声をだしても始まらないそのハンディーは、前から判ってきた事であって、そして当方の 怠慢なサーキット練習、マシン整備の結果でもある。現実からは決して離れる事は出来ないのである。 しかし、基本的な欠点を指摘されてしまった。それはタイヤである。もう1年以上交換していない。 練習時間は、ゆうに14時間を超え、その間2回のレースをこなしているタイヤである。今日も、 リアが滑って、アクセルが明けられなかった。それに加え、新しく張り替えたシート、慣れない サスの挙動、新しく舗装されたサーキット、まるで別のマシンに乗っているようだった。 隣でタイヤ交換 をしている群馬のM選手を横目で見ながら、彼から聞いた空気圧を参考にして、当方は、今までより 1割少ない空気圧に調整した。

サスのセッティングにはいつも新品タイヤを使用するという事も聞いた事があったが、今回は諸事情に より、急きょ参戦するレースになったので、準備が出来なかった。しかし、某ゾウサンチームの様に 練習もしないで(そういう規則のチーム)、入賞している彼らを思うと、ノーマルクラス、それも 入門者クラスでは、お金をかけるだけがレースではないとも、最近思い始めている。「じゃあ、お前の オーリンズはなんなんだ?」と言われそうだが、今後長くレースを行ってゆくに当たって、純正部品の 欠品、オーバーホールを含めたランニングコストを考えると、リアサスについては、オーリンズの 方が安いと思ったからである。(当方のオーリンズは、限定販売品と聞いているが、サービス体制が 充実しているので、安心して使用できる)
さて、グチは横に置いておく事にして、当方の練習結果は、どのような結果になったのかと言うと、 「タイムは16秒しか出ない」。サスはどうかというと、「良く曲がる」。この「良く曲がる」と 言うのは、今風の曲がり方で、よく2次旋回というらしい。つまり、クリッピングあたりで、 いったんパーシャル状態のアクセルを閉めると、マシンがイン側に倒れこんで、一瞬小回りした ような感じである。よく曲がるが、このクラスのマシンではコーナーリングスピードが落ちる。その分 タイムが落ちるようだ。まあ、グリップ感がないタイヤでは、この程度の感想しか思いつかないし、 ライダーもそろそろポンコツ状態なので、あまり当方の言う事を信じてはいけない。


   2005.10.1 (土)

その 39

2005

TUKUBA TOURIST TROPHY in  OCTOBER

悪夢で目が覚める。おかまに財布と携帯電話を取られ、まるで奴隷の様に、町中を歩かされる夢である。 そのおかまが、小太りした芸能人にそっくり。彼の周りには、キレイな美女。もしかすると彼女は彼かも・・。
サーキットに向かう車の中で、悪夢を忘れようと、カーステのボリュームを上げる。今回は、毎回NTクラスに 出場しているM選手が、マシンオーバーフォールの為、欠場。当方のピットクルーを申し出てくれた。7時前に サーキットに入る。駐車場で寝ているNZのT選手を起こす。ぞうさんチームのM兄選手とご挨拶。弟さんの 事件を聞き、びっくり。早く復帰する事を願う
車検場の近くにテントを張り、先ずは前日の教訓を生かしてタイヤの空気圧調整。前日よりも1目盛り少なく する。キャブも薄めに交換。このくらいしか、もう何もやる事がない。あとは気力だけで走ることにする。 あちらこちらで見慣れた顔に出会い、都度ご挨拶。「ダーシモさん、ツクバで合った事はナイショにして おきます。今度西川口につれて行ってください。」なんて、精神的ダメージをライバルに与える作戦に 変更した。そこに群馬のM選手ご来店。「いらっしゃいませ〜」。チームのマシンのリアパッドが壊れたらしい。 早速当方の在庫を調べるとなんと中古品が1セット有りました。2ビールと交換交渉成立。 「毎度ありがとうございます」。でも、どうして、当方が持っていた事、判ったのだろう?

車検も無事に終わり、早速暖気。気温が高いので、45度くらいで、終了。そうさんチームのM兄選手の 予選結果を聞きにゆく。何やら問題発生らしい。マフラー音量が大きい様だ。何か手伝いたいが、 当方の予選が近づいてきた。

ツナギに着替え始めると、もう隣のT選手が着替え終わっている。彼曰く「スタートフラッグ降られたら、 ツナギに着替える所からレースはじめてくれないかなぁ。ルマン式で、コースの反対から走ってきて、 ツナギに着替えて、マシンのエンジンかけて、そこからスタートなら、絶対負けないのに」。うむ、おもしろ そうなレースになりそうだ。耐久レースのライダー交代は、走ってきたライダーがツナギを脱いで、 パンツ一枚になって、オフィシャルのOK取ってから、次のライダーが私服を脱いで、ツナギに着替え・・ ・・・なんてくだらない事考えたりして。そして女性チームの場合には、ピットは黒山の人盛り、だったり して・・・。ちょっとエロっぽい。やっぱりダーシモさん、西川口だ〜。
と言うのは、当方が50肩で、先日まで一人ではツナギを着れなかったからである。そんなレースになったら、 当方はビリだ。


予選

いつも通りの予選が始まった。そしていつも通り無事に終わると思っていた。

当方は、3列目でコースイン。ピットロードを抜け1コーナに入ると、早くも転倒車。当方の前に並んで いた新品タイヤのマシンだ。メーカーシールの剥がした跡が残ったタイヤである。転倒すると思っていたら その通りになった。まあ、誰でも一度は経験する事である。仕方ない。

後から聞いた話では、結構マシンが密集していて、走りにくかった所もあったらしいが、当方の前後は とても、スムース。何の障害もなく、3週目で16秒6という数字がP−LAPに表示される。今までの 経験から言うと、練習以上のタイムは出ないので、「まあ、一段落」。後ろを見ると、群馬のM選手。 裏ストレートであっさり抜かれた。彼に付いてゆこうとするが、何せタイヤのグリップが無い。最終 コーナーの出口では、アクセルを開けられずにどんどん離される。
あちこちで転倒車続出。イエローフラッグが目立つ。一番ひどかったのは、CXの入り口の左側。何回通過 してもいつもイエローフラッグ。見えるだけで3台程、マシンがスポンジバリアにへばりついている。 路面には、何やら液体が漏れたような、不気味な跡。その後もあちこちでフラッグだらけ。おまけに オイル旗まで出ている。でも、いつものオフィシャルとは旗の出方が違う。何かタイミングがおかしい。 と、思っていると11週で予選終了。ゆっくりと1ヘアを抜け、電光掲示板を見ようとすると、見逃して しまった。次の瞬間前を見ると、目の前には、不気味な跡。間に合わずそれに乗ってしまった。マシンは スケート状態。「ここで転倒したらみっともないだろうな」と思って、力を抜いたら、無事に通過。どうやら オイルだ。

隣のピットにいた、同じ町内会のH選手が、オイルをまき散らすマシンを直前で目撃したらしい。 そのマシンは、もちろん転倒、そのあとの2台も巻き込まれたらしい。予選でこんなに転倒車が 多いのは、雨の日以外では経験がない。大きな怪我が無かった様なので、先ずは安心。ところで、 事故の経過を報告してくれたH選手、急いで報告してくれた事は大変ありがたかったが、 ツナギを脱いだまま、パンツ一枚で、いつまでも興奮していると、変な人に勘違いされるよ。特に 今回うちらのピットには、2名の女性がいるんですから〜。

今回のエントリーは、かなり多いと聞かされていた。リベンジレースも開催されると言うので、40台を 超えると思っていたが、結果は34台。予選落ちは2台である。当然、オイルを噴いたマシンはリタイヤ であろうと思っていたので、もう1台、予選落ちである。ちょっとかわいそうな気分である。

当方の予選が終わると、次にはもう決勝レースである。M兄選手の結果が待ち遠しい。激しいバトルの 末、最終ラップに2位の選手が1ヘアで転倒。あっさりと、優勝を奪い取る。しかし、彼らのピットは 暗い。どうも音量が基準を超えているらしい。前レースでの計測時とは、エンジン回転も違うらしい。 フロントスタピライザーの違反で、入賞剥奪経験の話しも出て、笑いも絶えなかった。やっぱり今夜は 西川口ですよね、ダーシモさん。

予選の結果は、当方が14番手。13秒台は4台、14秒台が5台、15秒台が4台、結構タイムが 切迫している。上位連中は結構厳しいレースだろう。15番手には「NAPA」。伝統は受け継がれて いるようだ。彼らとはつきあいが長いが、今日はまだ顔を見ていない。そういえば、今年3月に 優勝したH選手は、まじめに年金払っているのだろうか?

群馬のM選手に檄を飛ばしにゆく。昨日の練習では、キャブのセッティングがあわないと悩んでいたが、 当方がちょっとからかって嘘を教えたら、それがジャストミートして、結構走れるマシンに成った らしい。お礼を言われたが、次回からはサーキットに来る際、ビールをお忘れ無く!!。

改めて、マシンセッティングを変える事にした。実は、朝フロントサスを確認すると、なんと ダンパーが抜けていた。オイルを変えて4走行しただけである。予選前に変更したキャブとタイヤは 良い状態なので、今出来る事はサスの変更である。悩んだ挙げ句、前の状態に近い様に変更した。 前後共プリロードを上げ、力ずくでマシンを押さえ込んで、コーナーを曲がる様にした。


決勝

決勝も、何の変わりなく進行してゆく。一人で座って待っていると、群馬のM選手登場。手には「センス」。 実は昨日当方がプレゼントしたものである。上位に入ると思っていたので、このセンスでぜひ「左 団扇」で、選手紹介を受けて欲しいとお願いしたのである。

スタート前のミーティングでは、左手から日章旗が離れるタイミングではなく、振り下ろされたタイミング でスタートするようにと、注意された。以前と違っていた。この話をクルーのM選手に言うと、「もっと 厳密に、右手の角度まで質問しないと・・」と言われた。確かにそうだ。右手が上と下では、相当タイミング が違う。やっぱりシグナルスタートの方が、正確だ。

選手紹介が始まった。群馬のM選手の様子を見たかったが、マーシャルカーに乗っているオフィシャルに挨拶され、 タイミングを逃した。彼は昔このクラスでレース参戦していた「NAPA」のY選手である。昔話に花が咲く。 翌日のレースに出るT選手の事や、11月の耐久レースの話など、あっと言う間に自分の紹介の時間が来て しまった。

ウォームアップランがなかなか始まらない。隣のマシンがエンスト。後ろでも。隣のマシンはすぐに始動 できたが、後ろのマシンは、なかなか始動出来ない。2台のマシンがピットウォールに横付けされ、 ランがスタートした。
戻ってきても、まだ1台が不調だ。マフラーから煙を出している。ついにピットウォールの鉄扉が開けられ、 そのマシンは退場。そしてスタート。

まずますのスタート。1コーナーでは、インががら空き。外は大渋滞。当方はインを差したが、 しかし、順位を上げられなかった。 1ヘアはインが大渋滞。外側からかぶせるが、ここでも抜けない。裏ストレートまでくると、車速の 違いからか、長い列となって、集団が進んでゆく。3週目くらいまで、この状態。当方からまだトップ がよく見える。しかし、タイヤのグリップが無いので、前の単車から徐々に離される。4週目くらいの CX立ち上がりで後ろを見ると、1台真後ろにいる。今の自分のライディングでは、2ヘアで抜かれると 思い、インを閉めて走る。メインストレートエンドで、外から抜かれる。が、1コーナーでは インには入って来ない。どうやら 遠慮しているらしい。そのまま後ろから観察する事にする。彼も当方と同様に、コーナー出口で、アウトに 大きく膨らむ。しかし、最終の出口では、早い。2週程して、裏ストレートで、スリップから一気に抜く。 面白くなってきた。普段使わないので、もう残り少ないアドレナリンが吹き出してきた。2週後くらいの 1コーナでまた、外から並ばれた。インに突っ込もうとしたが、冷静に考えて辞めておいた。出口で 抜く事にする。手を上げて抜いて行った。「甘いやつだな」と感心してしまった。 立ち上がって、左から抜かそうとすると、なんとイエローフラッグが目に飛び込んできた。 1ヘアで転倒したようだ。アクセルを戻した瞬間に、アドレナリン在庫ゼロ。残り周回も2週くらいだと 思っていたので、多分このままゴールと思っていた。今回ピットサインはお願いしていない。出していた だいても、どうせマシンの振動で、良く見えないし。
抜くタイミングを遮られたので、意気消沈。 やる気が無くなると、前車と差が開く。最終コーナーでは、グリップしないフロントタイヤを無理やり 寝かしこんで、メインスタンドを抜ける。1コーナーを通過すると目の前に、倒れたマシンと下敷きに なったライダー、駆け寄るオフィシャル。路上転倒、しかもライダー下敷き。これは赤旗だと確信した。

案の定、メインスタンドに戻ってくると、赤旗中断。ピットインして、クルーのM選手に単車を預ける。 そして、レース終了。

DE耐と同じ、赤旗レース中断、終了である。ピットレーンは、消化不良のライダーとクルーが あふれていた。


と言う訳で、最終結果は、赤旗の出たタイミングが重要である。10週目か、11週目では、当方の 順位も違う。幸運にも10週目の結果が採用され、当方は12位でゴール。予選より2つ順位を 上げた。タイムは約1秒更新。とても良い結果になった。

レース後、「早く全盛期のタイムに戻ってバトルしましょう」と言われたが、もう当方の全盛期が 終わってしまった様に聞こえるのは、当方がネガティブになっているのだろう。何とか、他人の倍以上 練習して、見返してやる!!



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